胃の入り口は、胃と食道との境目近くにある筋肉(下部食道括約筋)で締まっています。
食道から食べ物が降りてくるとこの下部食道括約筋が緩んで食べ物が胃の中へ流れこみます。胃の中へ食べ物が入った後は胃内容物が食道へ逆流しないように再び入り口の下部食道括約筋が収縮して逆流を防いでいます。
この食道と胃の境目を閉める下部食道括約筋の機能に異常が生じると、強酸である胃酸が食道へ逆流してしまいます。食道粘膜は胃粘膜と異なり粘液分泌によるコーティングなどの防御機能が低く、食道の粘膜が荒れて、粘膜を痛め炎症を起こす病気を逆流性食道炎と言います。
喫煙、チョコレート、炭酸飲料、右側臥位(右側を下にして横向きに寝る体位)、加齢、肥満
喫煙、アルコール、チョコレート、脂肪分の多い食事、仰向け寝、右側臥位
逆流性食道炎でよく見られる症状として胸焼け、呑酸(すっぱいものが上がってくる)があります。
一見食道の異常とは気づきにくい症状として、ノドの違和感、長期間続く空咳、喘息のようなゼーゼーとした呼吸、胸痛、胃の不調、胃痛、お腹が張る、胃もたれ、ゲップがよく出る、口臭が臭いなど様々な症状を生じ得ます。
逆流性食道炎の治療では主に、胃酸の分泌を抑える内服薬を使用します。
逆流性食道炎の発症には生活習慣も大きく関わります。下記の7つの生活習慣を心がけてください。
胃酸の逆流により長期間食道が炎症状態にさらされると、表面の細胞(上皮)が本来の食道上皮とは異なる細胞に置き換わって不完全に修復される状態となります。その状態をバレット食道と言います。
日本でのまとまったデータはありませんが、欧米ではこのバレット食道から発生する癌、バレット腺癌の発生頻度がここ20年間で5~6倍に上昇しています。食生活が欧米化している日本でも今後増加する可能性があります。
逆流性食道炎の診断のためだけでなく、バレット食道、バレット腺癌を見つけるためには早期の胃カメラ検査、定期的な胃カメラが必須です。
当院では苦痛の少ない胃カメラ検査を工夫して行っております。逆流性食道炎、それに引き続く可能性のあるバレット食道、バレット腺癌などご心配な方には胃カメラ検査をおすすめします。
当院には島原市の方々をはじめ、雲仙市や諫早市、南島原市にお住いの方も外来診察や内視鏡検査の受診目的でご来院して頂いています。
文責:土井 康郎
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